新型コロナウイルス~スウェーデンの保育現場から

プレスクールの仕事

スウェーデンへ家族で移住し、現地のプレスクールで保育士として働くアラフォーママです。

 

今日は新型コロナウイルスについて書きたいと思います。そこでの現状と世界を見渡して思うことを自分の備忘録として残すものなので、事実関係について間違っていてもご容赦下さい。気になることがあったら一次情報見に行って下さい。

 

保育現場の様子

まず時系列に現場の状況を記録します。

 

2月は至って普通でした。おそらくスウェーデンの全員が中国やイタリアの様子を対岸の火事のごとく見ていました。1月末にスウェーデンの1人目の感染者が出てましたが、武漢への滞在歴がある方で、帰国後は自主隔離をしていたとの報道でした。同僚の中にイタリアやスペインに友人が住んでる人がいて、その人はその頃からソワソワしていました。

 

状況が変わってきたのは、やはり3月に入ってからです。2月後半からスウェーデンの学校はスポーツ休暇なるものがあって、1週間休暇になります。スキー旅行が定番で、北イタリアに行く人も少ないないのだとか…。この騒動の中でしたが、やはり旅行に行った人々がいて、その中から感染者が増えてきたのが3月初旬でした。その頃はイタリアがロックダウンし、同僚全員が「これちょっとヤバい?」みたいな気持ちに変わっていきました。

 

それと同時に多くのオフィスワーカーが在宅勤務を命じられたり、志願したりして、少しずつ街から人が減っていった印象があります。それは3月9日からの週です。そして子どもたちも保育士もこの週から少しずつ減っていきました。

 

この週は私たちも子どもたちも何が起こったんだ?明日はいったい何人来るんだ?他国のように休園するのか?その時の働き方は?などなど現場の対応にプラスして身の振り方の心配が重なって金曜日には疲弊しきっていました。

 

その中でも保育の中で子どもたちに手の洗い方やその大切さを伝えることをしていました。(日本だと当たり前過ぎて今頃感あると思います)年長児になると今のこの状況を知っていて、「コロナウイルス」というものがあって、それによって病気になる可能性があること、それを防ぐために友達の何人かは家にいること、手洗いやアルコール消毒をこまめにすることの大切さをきちんと理解していました。

ちなみにこのアルコール消毒ですが、この時は食前に手洗い+アルファでやろうという保育士がいたり、子どもの手には刺激が強いから手洗いで十分だ、という保育士もいたり、とちょっとした議論がありました。結局、子どもに対しては手洗いで十分、ドアノブなど多くの人が触れる場所をこまめに消毒することで落ち着きました。

 

翌週は、30人が在籍する園ですが、来てたのは6人程度。どの子どもが病欠なのか、どの子が感染を避けるために自宅にいるのかを把握できたため、保育士側にも余裕ができました。日中は2人が子どもたちと外に出て、残り2人は室内にて書類仕事、と分担していました。また、風邪の諸症状のある子がいたらすぐにお迎え要請をすることを徹底しました。

 

この頃の物資面ですが、ビニール手袋とアルコール消毒液が品薄になっていましたが、ストックとたまたま欠品前に注文ができたことで難を逃れられました。食べ物類も通常通りに手に入ります。しかし配送サービスを利用する人が増えたようで、配達の混雑によって利用できなくなっているし、子どもの人数も読めないので、同僚がスーパーで買って補充しています。

 

そして今週3月31日からの週は、12人前後と徐々に子どもたちも戻ってきました。保育士は1人が完全に感染を恐れて出勤していません。その他は、各自自分の体調をよく見ながら出勤したり休んだりして働いています。今のところ職場および子どもの家族から感染者が出た話は出ていません。

 

国の方針

小中学校、プレスクールは閉めない

理由は次のことが挙げられています。

・幼児、児童は感染例が少なく、重症化しないこと

・医療関係者が現場を離れざるを得なくなり、医療崩壊の起因になること

・保護者のヘルプに祖父母が登場して感染増加が見込まれること

 

ただし、もしもの場合についても政府の見解が示されています。

それは休校した場合でも指定の職業についている保護者の子どもは学童および保育を受けることが発表されました。つまりどんなことがあっても私は働くということです。ちなみに職場からは特に休校された場合の対応についての言及はありません。

 

◆指定の職業リスト

医療従事者

社会福祉施設職員 ← 保育士はここに入る

インフラ系の供給者

行政

自治体の技術屋さん

軍隊

警察、消防

スーパーなどの小売店

配送業者 など

ちょっとそれ何のこと?という職業もあって完全には把握してませんが、要は生活に最低限必要なセクターの従事者は働くことになります。

 

【その他の対応】

・手洗いをこまめにし、その際は一回30秒は洗うこと

・熱・鼻水・咳・喉の痛みがある場合は外出しない

・症状がなくなったあとも2日間は在宅すること

・高齢者住宅に訪問しない

・イースター休暇に不要不急の国内旅行はしない

・50人以上集まる会合は開催禁止

・70歳以上は外出しないことを推奨

・飲食店は着席のみで開業OK

 

現状に思うこと

3月9日の週からスウェーデンの「ウィズコロナ」が始まったと思っています。

 

スウェーデンは他のヨーロッパの国々と別のやり方でコロナに対峙する戦略をとっています。

これはリモートワークが普及していることと、体調が悪かったら無理しないで休む文化が根付いているので、自粛ムードに強制的な印象は受けません。「まぁ、そうだよね」といった感じで非常に落ち着いていると思います。

 

当初は早くロックダウンでも何でもして、感染しない措置をとってくれ!と思っていました。しかし、実はスウェーデンのやり方もこの感染の拡がり方だと正解かも、と思えるようになりました。

 

というのも、少しでもせき、鼻水などの症状があれば在宅すること、という国からのお触れを本当に忠実に守っている人ばかりです。ということは、感染しているかもしれない人は外にいないといえるからです。もちろん無症状感染者の場合は防げませんので、感染リスクが断たれたわけではありません。それでも飛沫感染を避ける対策をすればかなり防げると思えるようになりました。

 

しかし、多くの国でも同じことですが、「自分は大丈夫」という気持ちで「ちょっと息抜きのために外を散歩、走る」人のまぁ多いことかと。仕事中、近所の森林公園へ出かけることがあるのですが、休日ばりに人がいてなんだかなぁと思います。休日に都心がどんな感じか調査がてらにドライブしたら、テラス席で人との距離なく座らせているところもありました。ただ、これらを批判するということは、自分が毎日通勤していること自体を否定しないといけなくなるので、矛盾にさいなまれながら生活をしているのは事実です。これが「ウィズコロナ」ってやつの一部だな、と。

 

スウェーデンのこのやり方を「社会実験」と表現する人もいて、これが功をそうするかは分かりません。今週は感染者も死者数も増えてきてTwitter上で「やばい」というのも見かけました。

 

残念ながら人類は当面の間は「ウィズコロナ」で生きていかざるを得ません。これからも政治的判断が下される場面が多々あるだろうし、そこで犠牲になる人もきっと出てくる。なんとも辛い時代の始まりです。それでも今も仮にロックダウンしたとしても保育の現場はなくならないので、できるだけ粛々と目の前の子どものためにやっていこうと思っています。

コメント

  1. @emmmmax より:

    このような情報発信、大事ですよね。分かりやすくて、ためになります!

    カフェ・レストラン内での飲食利用者が、都市部ではまだ多く見られるんですね。
    私の田舎の地方では、圧倒的に利用者が少なく、飲食店も他国同様の危機です。
    この今の特殊な状況でも、そもそものスウェーデンにある習慣が、感染爆発を防いでいるのだろう、というのに私も共感しながら読みました。

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