先日このツイートをしたところたくさんの反応を頂きました。
スウェーデンの保育現場では、
ものの取り合いの時に最初に使ってた子を起点に考えることが多い。A児 ある絵本を読む
B児 横から奪おうとしたり、
保育士にあれが欲しいと言う
保育士 今はA児の使う時間だから
待とうね「貸して」「いいよ」のテンプレはない
— スウェーデン保育士🇸🇪たかこ (@swedenhoiku) June 16, 2020
保育園、特に1〜3歳児の子どもたちの間でものの取り合いは日常茶飯事です。これは国を文化を超えてどこにでもある光景。
いざこざが起きた時、スウェーデンの保育士はどんなねらいを持ってその場に介入するのでしょうか?
スウェーデンの保育観
スウェーデンの保育観を探っていきます。
保育士は先に使っている子が貸すか貸さないかを決めることを目指します。
先のツイートの例でいうと、保育士はA児の使いたい気持ちを尊重することをベースにこの場面を捉えます。つまりA児の遊びを保障したいと考えます。
だからと言って保育士がB児に待つように指示するということではなく、A児自身が今は自分が使う時間だということをB児に伝えるように促します。
ましてや、「貸して」「いいよ」のテンプレートを子どもに教え込むということはありません。
何の納得もしないまま、「貸して」と言われたから譲ることはありません。
その時に自分がどうしたいのかをA児が考えて、相手に伝えることがこの場面で大切にしていることです。
貸す時だってあるし、一緒に遊ぼうと提案する時だってあります。
それを決めて伝えるのはA児なのです。
B児の様子でたどる経緯は変わってきますが、ここで目指しているのは、言葉やジェスチャーなどで、自分の意見を表明することです。
無理やり奪おうとする子には、その行動を止めることと、その間違いを指摘して、改めて言葉によるやりとりを促します。
自分から言えなくて、保育士に使いたいとアピールする子もいます。その時も、「使ってもいい?」って聞いてみたら?とどんな風に友だちに言えばいいのかもセットで伝えます。
まずは「貸して」とA児に対して伝えることを促します。そこで交渉成立すればいいですが、多くの場合はそんなことないですよね。そんな時は、B児に待つように語りかけます。ここも重要で、B児にとっては辛い時間ですが、A児にも自分と同じようにこれを使いたい気持ちがある、という今後発達してくる他者の視点の土台となる経験になります。
まとめ
これらはスウェーデンのカリキュラムに根差しています。
「どの子どもにも自分の安心安全な環境を」のもプレスクールの役目です。
もちろんシチュエーションは多岐に渡るので、その日その場面(短期)あるいは1週間1ヶ月(長期)という時間軸を加えて場面を捉えるとまた違ったやりとりになることもあります。
それでもベースとして持っていることは同じです。
◆スウェーデンの保育制度と教育内容を知りたい方へ
オンラインセミナーの動画を800円で販売しています。
現地のリアル情報を知る貴重な内容となっています。現地への視察旅行が厳しい今、ぜひこちらをどうぞ!!

ParentiPacekによるPixabayからの画像
コメント